STEMI = ST上昇型心筋梗塞;TIMI = Thrombolysis in Myocardial Infarction。, Basedon data from Morrow DA et al: TIMI risk score for ST-elevation myocardialinfarction: a convenient, bedside, clinical score for risk assessment atpresentation. 既往歴 安衛法第66条第1項 - 2. The American Journal of Cardiology 20:457–464, 1967. 今年も3月上旬からスギ花粉の大量飛散が始まりました。今年の花粉の飛散量は例年に較べて多く、当、代官山パークサイドクリニックにも多くの花粉症の患者様がいらっしゃいました。花粉症の症状と言えば、『くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の痒み』が4大症状ですが、他にも喉の痒みや咳、皮膚の荒れなど多様な症状をきたす事があります。, 今年の花粉症の特徴は、『喉の症状』でした。花粉症で喉がイガイガしたりする事はしばしばありますが、今年は喉風邪を思わせる激しい喉の痛みを訴える花粉症の方がたくさんいらっしゃいました。喉の痛みがひどかった原因としては、花粉の飛散量が多い事も挙げられますが、それだけでは説明がつきません。何か別の要因が関与している可能性が高いと思われます。, 気になる事が一つあります。お隣、中国での話です。ご存じの方も多いとは思いますが、中国では急速な工業化と人口増加、都市化によって、国土の乾燥、砂漠化が進行し、大気汚染も急速に進行しています。その指標の一つとして登場したのが、大気中の(有害)微小粒子状物質であるPM2.5の濃度です。日本の環境基準ではPM2.5の濃度は35 μg/m3以下とされています。北京ではひどい時はPM2.5濃度が500とか900という信じがたい数値になるそうです。PM2.5は非常に小さく軽い粒子であるため、ジェット気流に乗り遠方にも到達します。日本でも熊本市で先日PM2.5の濃度が91 μg/m3と国内最高を記録していますが、その主たる原因の一つとして中国から飛来するPM2.5があると言われています。, 以前より中国から飛来する黄砂がスギ花粉症を悪化させる修飾因子となり得ると言われていますが、PM2.5も同様に花粉症の症状を悪化させる可能性があります。PM2.5は急性には喉や呼吸器の症状を引き起こす事が知られており、通常の花粉症の症状の悪化に加えて、気管支炎や喉の違和感、疼痛を生じる事が予想されます。こらは前述の今年の花粉症の特徴を思い起こさせます。私は2008年のオリンピックの際に北京に行きましたが、滞在中に大気汚染の影響で軽い喘息の症状と刺すような喉の痛みを感じました。私自身も花粉症をもっていますが、今年の花粉症で感じた喉の違和感と痛みは、この時の北京での症状にとても似ていました。, スギ花粉症の時期が過ぎてもPM2.5の影響は続く事が考えられます。初夏や秋にも種々の花粉がアレルギーを引き起こします。ハウスダスト系にアレルギーを有する人はアレルギー性気管支炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などの悪化を招く可能性があります。PM2.5は気道から侵入する事を考えると最も影響が大きいのは気管支喘息を持っている人であるのかもしれません。, また長期的な体への影響も懸念されます。PM2.5は非常小さな粒子であるため、一度気道から体内に取り込まれると肺胞の奥に長期間存在し、一部は血管内に取り込まれます。PM2.5は長期的には慢性閉塞性肺疾患、脳血管障害、虚血性心疾患などを生じる事が判明しています。中国の精華大学の研究によると2010年の中国の死者の15%にあたる123万人余りがPM2.5などの大気汚染が原因で早死にしたと推計されるとの事です。, PM2.5は中国の影響だけではありません。現在我が国では原子力発電所の大幅な稼働率低下に伴い、電力供給の火力発電への依存度が高まっています。火力発電はPM2.5を始めとする大気汚染物質を大気中に放出します。安全なクリーンエネルギーの早期実現を熱望します。, PM2.5が関与している可能性がある症状に対しては、花粉症にしても気管支喘息にしても慎重に対処する必要があります。喉の違和感や痛みが有る場合に、総合感冒薬や強い消炎鎮痛剤を長期に渡って使用する事は免疫力を低下させたり、体に負担をかけたりしますのでお勧めできません。また、消炎鎮痛剤の多くは皮膚や粘膜の乾燥を招き、逆効果になる事もあります。, この様な場合に、当、代官山パークサイドクリニックでは、比較的長期間使っても大丈夫な消炎剤や漢方薬を中心に治療を行っています。 等の他覚症状又は自覚症状の既往歴の有無 の検査 4 眼の痛み、発赤、せき、咽頭痛、鼻腔刺激 症状、頭痛、倦怠感等の他覚症状又は自覚 症状の有無の検査 5 尿中のマンデル酸の量の測定(当該業務に 常時従 する労働者に対して行う健康診断 (安静時)心電図検査 〔海外派遣労働者・健康診断〕 検 査 調 査 時 期 1. 血糖検査 10. 1. 症状と検査診断 アレルギー性薬物反応は様々な臓器に生じう る.薬剤投与歴の情報が得られないと,症状だけ から薬剤アレルギーと診断することはまず不可能 である. 薬剤アレルギーの可能性を疑うことが診断 … 業務歴 配置替え時 安衛則第45条 6か月以内毎に1回 4. 電話:03-5456-6282 健康診断項目 : 6月に. JAMA 284:835–42, 2000. プレホスピタルケア:酸素,アスピリン,疼痛に対する硝酸薬および/またはオピオイド鎮痛薬,ならびに適切な医療施設へのトリアージ, 薬物治療:抗血小板薬,狭心症治療薬,および抗凝固薬のほか,一部の例ではその他の薬剤, 再灌流療法:血栓溶解薬または血管造影と経皮的冠動脈インターベンションもしくは冠動脈バイパス手術, 薬物療法の選択と再灌流戦略の選択については,本マニュアルの別の箇所で考察されている。, 確実な静脈ラインを確保し,酸素を投与(典型的には鼻カニューレで2L)するとともに,持続的な単一誘導の心電図モニタリングを開始する必要がある。救急救命士による病院到着前の介入(心電図検査,アスピリンの咀嚼服用[325mg],硝酸薬またはオピオイドによる疼痛管理など)により,死亡および合併症のリスクが低下する可能性がある。早期の診断データと治療に対する反応は,血行再建術の必要性と施行時期を判断する上で有用となりうる。, 患者が緊急処置室に到着したら,診断を確定する。薬物療法の内容と血行再建術の施行時期は,臨床像および診断に依存する。, STEMIでは,再灌流の戦略に血栓溶解療法または即時のPCIを含めることができる。NSTEMI患者には,臨床的に安定していれば,入院後24~48時間以内に血管造影を施行することがある。患者の状態が不安定な場合(例,持続する症状,低血圧,遷延する不整脈)は,直ちに血管造影を施行する必要がある( 心筋梗塞へのアプローチ)。, *合併症ありとは,狭心症再発もしくは心筋梗塞,心不全,または持続性心室性不整脈の合併を意味する。これらの事象がいずれもなければ,合併症なしと呼ばれる。, CABG = 冠動脈バイパス術;GP = 糖タンパク;LDL = 低比重リポタンパク;PCI = 経皮的冠動脈インターベンション。, 抗血小板薬と抗凝固薬を全例に投与すべきであり,胸痛がある場合は狭心症治療薬も投与すべきである。使用する個別の薬剤は再灌流戦略とその他の因子に依存し,その選択および用法については急性冠症候群で考察されている。その他の薬剤(β遮断薬,ACE阻害薬,スタチン系薬剤など)は,入院中に開始すべきである( 冠動脈疾患に対する薬剤*)。, 抗血小板薬:アスピリン,クロピドグレル,またはその両方(クロピドグレルの代替薬はプラスグレルまたはチカグレロル), 禁忌がなければ全例に対し,アスピリンを初診時に160~325mg(腸溶錠以外),その後は1日1回81mgで無期限に投与する。初回投与では,飲み込む前に噛み砕かせることで吸収が速まる。アスピリンは短期および長期の死亡リスクを低下させる。PCIを受ける患者では,負荷量のクロピドグレル(300~600mg,経口,1回),プラスグレル(60mg,経口,1回),またはチカグレロル(180mg,経口,1回)の投与で予後が改善し,特に24時間前に投与した場合に効果が高くなる。緊急PCIの場合は,作用の発現がより速やかなプラスグレルとチカグレロルが望ましいと考えられる。, 不安定狭心症患者には,低分子ヘパリン,未分画ヘパリン,bivalirudin のいずれかを,禁忌(例,活動性出血)がない限り,ルーチンに投与する。未分画ヘパリンは,活性化PTT(aPTT)の目標値を達成するには頻繁(6時間毎)に用量調節が必要であることから,その使用はやや複雑である。低分子ヘパリンは,生物学的利用能がより良好であり,aPTTのモニタリングと用量の漸増を行うことなく単純に体重ベースの用量で投与され,ヘパリン起因性血小板減少症のリスクが低い。Bivalirudinは,ヘパリン起因性血小板減少症の既往があるか疑われる患者に推奨される。, 高リスク患者(虚血の再発,動的な心電図変化,または不安定な血行動態がみられる患者)には糖タンパクIIb/IIIa阻害薬を考慮する。アブシキシマブ,tirofiban,eptifibatideの効力は同等とみられており,薬剤の選択は他の因子(例,費用,入手可能性,習熟度)に基づいて判断すべきである。, 胸痛はモルヒネまたはニトログリセリンにより治療できる。モルヒネ2~4mg静注を必要に応じて15分毎に反復投与するのが非常に効果的であるが,呼吸および心筋収縮性を低下させる可能性があり,強力な静脈拡張作用もある。モルヒネによる二次性の低血圧および徐脈は,通常は下肢を速やかに挙上することで克服できる。ニトログリセリンは,まず舌下投与した後,必要に応じて持続静注する。, 不安定狭心症の全患者に対する標準治療には,β遮断薬,ACE阻害薬,スタチン系薬剤などがある。β遮断薬は,禁忌(例,徐脈,心ブロック,低血圧,または喘息)がない限り推奨される(特に高リスク患者)。β遮断薬は心拍数,動脈圧,および心筋収縮性を低下させ,それにより心仕事量と酸素需要を減少させる。ACE阻害薬は,内皮機能を改善することによって,長期的な心保護作用をもたらす可能性がある。咳嗽または発疹(血管性浮腫または腎機能障害ではない)のために患者がACE阻害薬に耐えられない場合は,アンジオテンシンII受容体拮抗薬が代替薬となりうる。スタチン系薬剤も標準治療であり,無期限に継続すべきである。, NSTEMI患者:不安定な患者に対しては直ちに,安定している患者に対しては24~48時間以内に経皮的冠動脈インターベンションを施行する, STEMI患者に対しては,十分早期(病院到着から初回バルーン拡張までの時間[door to balloon-inflation time]が90分未満)に経験豊富な術者による施行が可能であれば,緊急PCIがST上昇型心筋梗塞に対する望ましい治療法である。PCIの開始が著しく遅れる可能性が高い場合は,基準を満たすSTEMI患者には血栓溶解療法を施行すべきである( 梗塞範囲)。血栓溶解薬による再灌流療法は,心筋梗塞の発症後数分から数時間で施行された場合に最も効果的となる。血栓溶解薬の投与開始は早ければ早いほどよい。目標としては,病院到着から血栓溶解療法開始までの時間(door-to-needle time)を30~60分とする。3時間以内の場合に最も大きな効果が得られるが,最長12時間まで効果的となる可能性がある。血栓溶解薬の特徴および選択については,本マニュアルの別の箇所で考察されている。, 不安定なNSTEMI患者(すなわち,持続する症状,低血圧,または遷延する不整脈がみられる場合)は,心臓カテーテル室に直接搬送して,PCIまたはCABGを要する冠動脈病変を同定すべきである。合併症のないNSTEMI患者では,受診時点での梗塞関連動脈の完全閉塞はまれであり,直ちに再灌流療法を施行する緊急性はない。このような患者には,典型的には入院後24~48時間以内に血管造影を施行して,PCIまたはCABGを要する冠動脈病変を同定する。NSTEMIでは血栓溶解薬は適応とならない。リスクの方が潜在的な有益性を上回る。, 入院中に冠動脈造影が施行されなかった患者,高リスクの特徴(例,心不全,狭心症の再発,24時間後の心室頻拍または心室細動,新規の心雑音などの機械的合併症,ショック)がみられない患者,および駆出率が40%を上回る患者には,血栓溶解療法を受けたか否かにかかわらず,通常は退院前または退院直後に何らかの負荷試験を施行すべきである( 心筋梗塞後の機能評価)。, 急性期の病状と心筋梗塞の治療を機会として,患者に危険因子の是正を強く促すべきである。患者の身体面および感情面の状態を評価し,それらについて患者と話し合い,生活習慣(例,喫煙,食事,仕事や趣味の習慣,運動)について助言するとともに,積極的に危険因子を管理していくことで,予後を改善できる可能性がある。, 退院時には,全例で適切な抗血小板薬,スタチン系薬剤,および狭心症治療薬と,併存症に応じたその他の薬剤を継続すべきである。, 急性心筋梗塞の症状としては,胸痛または胸部不快感があり,これらに呼吸困難,悪心,発汗を伴う場合もある。, 女性および糖尿病患者では非定型の症状を呈する可能性が高く,急性心筋梗塞の20%は無症状である。, STEMI患者に対しては,血管造影と経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を直ちに施行するが,PCIを直ちに行えない場合は血栓溶解療法を施行する。, 安定しているNSTEMI患者には,24~48時間以内に血管造影を施行するが,不安定なNSTEMI患者にはPCIによる血管造影を直ちに施行する。, 回復後は,抗血小板薬,β遮断薬,ACE阻害薬,およびスタチン系薬剤を開始または継続する。, Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.Aは、米国とカナダ以外の国と地域ではMSDとして知られる、すこやかな世界の実現を目指して努力を続ける、グローバルヘルスケアリーダーです。病気の新たな治療法や予防法の開発から、助けの必要な人々の支援まで、世界中の人々の健康や福祉の向上に取り組んでいます。 このマニュアルは社会へのサービスとして1899年に創刊されました。 古くからのこの重要な資産は米国、カナダではMerck Manual、その他の国と地域ではMSD Manualとして引き継がれています。私たちのコミットメントの詳細は、Global Medical Knowledgeをご覧ください。, 必ずお読みください:本マニュアルの執筆者、レビュアー、編集者は、記載されている治療法、薬剤、診療に関する考察が正確であること、また公開時に一般的とされる基準に準拠していることを入念に確認する作業を実施しています。しかしながら、その後の研究や臨床経験の蓄積による日々の情報変化、専門家の間の一定の見解の相違、個々の臨床における状況の違い、または膨大な文章の作成時における人為的ミスの可能性等により、他の情報源による医学情報と本マニュアルの情報が異なることがあります。本マニュアルの情報は専門家としての助言を意図したものではなく、医師、薬剤師、その他の医療従事者への相談に代わるものではありません。ご利用の皆様は、本マニュアルの情報を理由に専門家の医学的な助言を軽視したり、助言の入手を遅らせたりすることがないようご注意ください。本マニュアルの内容は米国の医療行為や情報を反映しています。米国以外の国では、臨床ガイドライン、診療基準、専門家の意見が異なる場合もありますので、ご利用の際にはご自身の国の医療情報源も併せて参照されるようお願い致します。また、英語で提供されているすべての情報が、すべての言語で提供されているとは限りませんので、ご注意ください。, このサイトは、 信頼できる医療・ 健康情報のための 倫理標準である HONcodeの条件を満たし ています: こちらから確認してください。, The trusted provider of medical information since 1899, 急性心筋梗塞は,冠動脈の急性閉塞により心筋壊死が引き起こされる疾患である。症状としては胸部不快感がみられ,それに呼吸困難,悪心,発汗を伴う場合がある。診断は心電図検査と血清マーカーの有無による。治療法は抗血小板薬,抗凝固薬,硝酸薬,β遮断薬,スタチン系薬剤,および再灌流療法である。ST上昇型心筋梗塞に対しては,血栓溶解薬,経皮的冠動脈インターベンション,または(ときに)冠動脈バイパス術による緊急再灌流療法を施行する。非ST上昇型心筋梗塞に対しては,経皮的冠動脈インターベンションまたは冠動脈バイパス術による再灌流療法を施行する。, © 2020 Merck Sharp & Dohme Corp., a subsidiary of Merck & Co., Inc., Kenilworth, NJ, USA, 不安定狭心症または非ST上昇型心筋梗塞を対象とするThrombolysis in Myocardial Infarction(TIMI)スコア, ST上昇型急性心筋梗塞を対象とするThrombolysis in Myocardial Infarction(TIMI)スコア. Circulation 126:2020–2035, 2012. doi: 10.1161/CIR.0b013e31826e1058, NSTEMIとSTEMIの症状は同じである。イベント発生の数日から数週間前には,約3分の2の患者が不安定ないし漸増性狭心症(crescendo angina)や息切れ,疲労などの前駆症状を経験する。, 通常,心筋梗塞の最初の症状は疼痛または圧迫感として表現される胸骨下深部の内臓痛であり,しばしば背部,下顎,左腕,右腕,肩,またはこれら全ての領域に放散する。疼痛は狭心症と類似するが,通常はより重度で長時間持続し,しばしば呼吸困難,発汗,悪心,および嘔吐を伴い,安静やニトログリセリンでほとんどまたは一時的にしか軽快しない。しかしながら,不快感が軽度のこともあり,急性心筋梗塞の約20%は無症候性で(すなわち,無症状ないし患者に疾患として認識されない漠然とした症状のみ),この傾向は糖尿病患者でより多くみられる。しばしば患者が自身の不快感を消化不良と解釈することがあるが,これは特に,自然な軽快がげっぷや制酸薬の服用によるものと誤解されるためである。, 女性では非典型的な胸部不快感を呈する可能性が高い。高齢患者では,虚血性胸痛よりも呼吸困難を訴えることが多い。重度の虚血時には,患者はしばしば有意な疼痛を経験し,不穏や不安感を抱く。悪心および嘔吐を生じることもあり,特に下壁梗塞で多い。左室不全,肺水腫,ショック,または著明な不整脈による呼吸困難と脱力が支配的になることがある。, 皮膚は蒼白で冷たく,発汗を伴う場合がある。末梢性または中枢性チアノーゼを呈することがある。脈は弱く,血圧は一定でないが,初期には多くの患者で疼痛発生時にいくらかの高血圧がみられる。, 心音は通常やや弱く,ほぼ常にIV音を認める。心尖部に吹鳴様の弱い収縮期雑音を聴取することがある(乳頭筋機能不全を反映する)。初診時には,摩擦音またはさらに強い雑音から既存の心疾患や別の診断が示唆されることがある。心筋梗塞症状の発症後数時間以内に聴取される摩擦音は,心筋梗塞よりもむしろ急性心膜炎を示唆する。一方,STEMIの発症後2日目および3日目には,摩擦音がよく聴取され,通常は一過性である。触診では約15%の患者で胸壁に圧痛を認める。, 右室梗塞では,徴候として右室充満圧の上昇,頸静脈怒張(しばしばクスマウル徴候を伴う),異常のない肺野,低血圧などが認められる。, STEMI患者および合併症(例,胸痛の持続,低血圧,心筋マーカーの著明な上昇,不安定な不整脈)のある患者には(血栓溶解薬を投与しない限り)直ちに冠動脈造影, 不安定狭心症,ST上昇型心筋梗塞,非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)の鑑別に役立てるため,初回および一連の心電図検査と一連の心筋マーカー測定で評価を開始する。血栓溶解薬はSTEMI患者には有益であるが,NSTEMI患者ではリスクを増加させる可能性があるため,この鑑別が臨床判断の中心となる。また,急性STEMI患者は緊急心臓カテーテル検査の適応となるが,NSTEMI患者は一般に適応とならない。, STEMIでは,初回心電図検査で診断に至るのが通常であり,損傷領域内の2つ以上の隣接した誘導で1mm以上のST上昇が認められる( 急性左室側壁梗塞(発症後数時間以内に記録された波形), 左室側壁梗塞(発症から24時間後), 左室側壁梗塞(数日後), 急性左室下壁(横隔膜側)梗塞(発症後数時間以内に記録された波形), 左室下壁(横隔膜側)梗塞(発症から24時間後), 左室下壁(横隔膜側)梗塞(数日後))。, I,aVL,V4,V6誘導で超急性期の著明なST上昇を認め,他の誘導では相反性の低下を認める。, ST部分の上昇幅が小さくなっており,I,aVL,V4,V6誘導で有意なQ波が発生し,R波は消失している。, 有意なQ波とR波電位の消失が持続している。この時点でST部分はほぼ等電位となっている。以降数カ月間の心電図は,おそらく緩徐にしか変化しない。, II,III,aVF誘導で超急性期のST上昇を認め,他の誘導では相反性の低下を認める。, この時点でST部分はほぼ等電位となっている。II,III,aVF誘導に認められる異常Q波は,心筋瘢痕の残存を示唆している。, 異常Q波は診断に必須ではない。ST上昇は(特に下方誘導[II,III,aVF]では)明確でないことがあるため,心電図の判読は慎重に行わなければならず,ときに判読者の注意がST低下を示す誘導に誤って向けられることもある。特徴的な症状がみられる場合,心電図上のST上昇は,心筋梗塞の診断に対して特異度90%および感度45%の所見となる。一連の記録(1日目は8時間毎,その後は1日1回)で徐々により正常な安定したパターンに変化していく場合,または数日間で異常Q波が発生してくる場合は,診断確定の傾向にある。, 右室梗塞が疑われる場合は,15誘導心電図を記録するのが通常であり,追加の誘導はV4-6Rと後壁梗塞を検出するためにV8およびV9に配置する。, 心筋梗塞の心電図診断は,左脚ブロックの波形がみられる場合,STEMIの変化と類似するため,より困難となる。QRS波と一致したST上昇は,2つ以上の胸部誘導での5mmを超えるST上昇と同様に,心筋梗塞を強く示唆する。しかし一般的には,示唆的な症状と新規発症(または陳旧性かどうか不明)の左脚ブロックがみられる患者は,STEMIと同様に治療される。, 心筋マーカー(心筋細胞傷害の血清マーカー)とは,心筋細胞の壊死後に血流中に放出される心筋酵素(例,CK-MB)および細胞内容物(例,トロポニンI,トロポニンT,ミオグロビン)のことである。心筋マーカーは損傷後のそれぞれ異なる時期に出現し,その濃度は異なる速度で低下する。心筋細胞傷害に対する感度および特異度は,これらのマーカー間で有意に異なるが,トロポニン(cTn)が感度および特異度とも最も高く,現時点で第1選択のマーカーとなっている。最近,心筋トロポニンを対象とする非常に精度の高い新規の高感度アッセイ(hs-cTn)がいくつか利用できるようになった。これらのアッセイにより,Tn値(TまたはI)を0.003~0.006ng/mL(3~6pg/mL)という低値でも信頼性をもって測定することが可能となり,研究段階のいくつかのアッセイでは0.001ng/mL(1pg/mL)という低値にまで達している。, 以前の感度があまり高くないcTn検査では,急性の心障害を呈している患者を除けば,Tnを検出できる可能性は低かった。そのため,Tn「陽性」(すなわち,検出下限を上回る)は非常に特異的な所見であった。しかしながら,新しいhs-cTn検査では,多くの健常者で少量のTnが検出される可能性がある。このため,hs-cTn値は正常範囲を参照する必要があり,参照集団の99%より高い値を示した場合のみが「上昇」と定義されている。さらに,トロポニン値の上昇は心筋細胞傷害を示唆するが,損傷の原因は示唆しない(ただし,トロポニン値の上昇は多くの疾患において望ましくない転帰のリスクを高める)。急性冠症候群(ACS)に加え,他の多くの心疾患と心臓以外の疾患によりhs-cTn値が上昇する可能性があり( トロポニン高値の原因),全てのhs-cTn値上昇が心筋梗塞を反映するわけではなく,たとえ病因が虚血であったとしても,全ての心筋壊死が急性冠症候群に起因するわけでもない。しかしながら,hs-cTnアッセイはTnをより低値で検出することにより,他のアッセイより早期に心筋梗塞を同定することが可能であり,多くの医療施設で他の心筋マーカーに取って代わっている。, 心筋梗塞が疑われる患者では,受診時および3時間後にhs-cTn値を測定すべきである(標準のTnアッセイを用いる場合は0時間および6時間後)。, hs-cTn値は,以下の情報から臨床的に推定される疾患の検査前確率に基づいて解釈しなければならない:, 検査前確率が高く,かつhs-cTn値が高値の場合は心筋梗塞が強く示唆されるが,検査前確率が低く,かつhs-cTn値が正常の場合は,心筋梗塞のある可能性は低くなる。検査結果が検査前確率と一致しない場合は,診断はより困難となるが,そのような場合は連続測定したhs-cTn値がしばしば有用となる。検査前確率が低く,最初の検査でhs-cTn値が軽度の高値を示し,かつ再検査で安定を維持している患者は,おそらくACS以外の心疾患(例,心不全,安定した冠動脈疾患)を有している。一方,再検査で有意な上昇(すなわち,20~50%の上昇)がみられた場合は,心筋梗塞の可能性がはるかに高くなる。検査前確率が高く,かつ正常であったhs-cTn値が再検査では50%を超えて上昇した患者では,心筋梗塞の可能性が高く,正常値が持続(疑いが強い場合はしばしば6時間後およびそれ以降を含む)する場合は,別の疾患を検索する必要性が示唆される。, 冠動脈造影は,多くの場合,診断と経皮的冠動脈インターベンション(PCI,すなわち血管形成術,ステント留置術)を兼ねる。可能な場合は,緊急冠動脈造影およびPCIを急性心筋梗塞の発症後可及的速やかに施行する(primary PCI)。多くの三次医療施設では,このアプローチにより合併症発生率および死亡率が有意に低下し,長期成績が改善している。疼痛発生からPCIまでの時間が短ければ(3~4時間未満),実際に梗塞を途中で解消できることも多い。, STEMI患者,最大限の薬物療法を行っても胸痛が持続する患者,合併症(例,心筋マーカーの著明な上昇,心原性ショック,急性僧帽弁逆流症,心室中隔欠損症,不安定な不整脈)を有する患者では,緊急血管造影を施行する。症状が消失した合併症のないNSTEMI患者では,典型的には入院後24~48時間以内に血管造影を施行して,治療を要する可能性のある病変を検出する。, 冠動脈造影はまた,最初の評価と治療の終了後に,虚血の持続を示唆する所見(心電図所見や症状)がみられる場合や,不安定な血行動態や繰り返す心室性頻拍性不整脈など虚血イベントの再発を示唆する異常がみられる患者に施行されることがある。さらに一部の専門家は,負荷画像検査で誘発可能な虚血を認めるか駆出率が40%未満であるSTEMI患者には,退院前にも血管造影を施行することを推奨している。, 総合的なリスクは,正式な臨床リスクスコア(Thrombolysis in Myocardial Infarction[TIMI])または以下の高リスク所見の組合せに基づいて推定すべきである:, 高リスクを示唆する負荷試験の結果(症状,著明な心電図異常,低血圧,または複雑心室性不整脈[complex ventricular arrhythmias]のために5分以内で検査中止), 全体での死亡率は約30%で,これらの患者のうち25~30%は病院到着前に死亡する(典型的には心室細動による)。院内死亡率は約10%であるが(典型的には心原性ショックによる),左室不全の重症度に応じて大きく変動する( 急性心筋梗塞のKillip分類と死亡率*)。, 再灌流療法(血栓溶解療法またはPCI)を受けた患者の院内死亡率は5~6%であり,これに対して,再灌流療法に適格でありながら受けなかった患者では15%である。Primary PCIのプログラムが確立された医療施設では,院内死亡率が5%未満と報告されている。, 心原性ショックにより死亡する患者の大半では,左室心筋重量の50%以上に梗塞あるいは瘢痕と新たな梗塞の混在が認められる。次の5つの臨床所見から,STEMI患者の死亡の90%が予測される( STEMI患者における30日時点の死亡リスク):高齢(全死亡の31%),収縮期血圧低値(24%),Killip分類クラス2以上(15%),心拍数高値(12%),および前壁梗塞(6%)。女性および糖尿病患者では死亡率が高くなる傾向がある。, 初回入院時に死亡しなかった患者における急性心筋梗塞後の1年死亡率は8~10%である。大半の死亡は最初の3~4カ月にみられる。心室性不整脈の持続,心不全,心室機能低下,および虚血の再発はリスクが高いことを示唆する。退院前または退院後6週間以内に負荷心電図検査を施行することを多くの専門家が推奨している。運動能力が良好で心電図異常を認めない患者では,予後良好となる傾向があり,それ以上の評価は通常は不要である。運動能力が不良な患者では,予後不良となる傾向がある。, 回復後の心機能は,急性発作後に機能する心筋がどれだけ生き残ったかに大きく依存する。過去の梗塞に起因する瘢痕に急性の損傷が付加される。損傷が左室心筋重量の50%を上回る場合は,長期生存はまれとなる。.