芥川龍之介賞 最新情報 第163回芥川賞は高山羽根子さんと遠野遥さんに決定!(2020年上半期) 第163回芥川龍之介賞の選考委員会が2020年7月15日(水)午後2時より都内にて開催され、下記候補作品の中から高山羽根子さんの「首里の馬」と遠野遥さんの「破局」が授賞作に決まりました。 ブログを報告する, 第40回野間文芸新人賞① 候補作まとめ、受賞作予想『双子は驢馬に跨がって』金子薫(河出書房新社), 苦しみ抜いて強くなり、そしてやさしくなる〜『売野機子のハート・ビート』売野機子(祥伝社), 「在る」あるいは「居る」ということ〜『緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道』山本昌代(河出文庫), 後味爽やか、だが、それだけでは終わらせられない〜『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂幸太郎(創元推理文庫), 第163回芥川賞② 番外編Ⅰ直木賞受賞作予想 澤田瞳子『能楽ものがたり 稚児桜』(淡交社), 性被害に遭うのって性的な価値を持っていると認められるということだから羨ましく感じてしまう瞬間があってそんな自分が許せない〜「改良」遠野遥、「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」大前粟生(『文藝』2019年冬季号), 高尾長良「音に聞く」(『文學界』9月号)、高山羽根子「カム・ラウンド・ギャザー・ピープル」(『すばる』5月号)、李琴峰「五つ数えれば三日月が」(『文學界』6月号)、乗代雄介「最高の任務」(『群像』12月号), 第162回芥川賞① 候補作予想「如何様(イカサマ)」高山羽根子(『小説トリッパ―』夏号), 思春期をちゃんと書く、書きすぎる ~「ラジオラジオラジオ!」加藤千恵 『ラジオラジオラジオ!』(河出文庫)所収~. 3度の飯より物語の構造分析が好き。近著に『サムライブルーの勝利と敗北 サッカーロシアW杯日本代表・全試合戦術完全解析』(星海社新書)。, 菊池 良:作家。近著に、歴代の芥川賞全受賞作を読みレビューした『芥川賞ぜんぶ読む』(宝島社)。小学8年生で『文豪探偵の事件簿』を連載中。, 出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B082PQ6YXS/, 【あらすじ】 芥川賞の第1回から続いてきた壮大なドラマが完成する、という点で、石原さんを推したい気持ちも大きいです。, トヨキ:なるほど……!(笑)私はやっぱり、これまでの高山さんの作品の集大成的な傑作だと思うので、『首里の馬』が受賞すると予想します。今回も、受賞作の発表がいまから楽しみですね。, 小松左京の『日本沈没』、江戸川乱歩『パノラマ島奇譚』……漫画の原作・題材となった昭和の文学作品を一気に解説します!あなたはどれだけ知っていますか?, 家族や恋人、友人など、さまざまな相手との別れを迎えることも多い春。「別れ」のシーンがあふれる今だからこそ読みたい、「別れがテーマの小説」をご紹介します。, 古川真人『背高泡立草』の受賞が決定した第162回(2019年度下半期)芥川賞。その受賞候補となった5作品を、あらすじとともに徹底レビューします!, 1000以上のショートショート作品を残した日本のSF作家、星新一。数十年前の作品で思い描かれた未来は、一体どのようなものだったのでしょうか。現在の出来事と比較して見てみましょう。, 東京都知事に就任以来、オリンピックの東京開催や、築地の豊洲移転問題など、山積する課題に真正面から立ち向かい、辣腕をふるっている小池百合子氏。そんな小池氏による2つの著作が、電子書籍にて配信開始しました。いずれも、小池氏の人物像がよりくっきりと見えるような、興味深い内容となっています。, 浮気を詳細に綴った石川啄木の日記から、戦時中の暮らしを鮮明に描いた山田風太郎の日記まで。現代作家の味わい深い“日記文学”を、厳選して4作品ご紹介します!, レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシャル(両性愛者)、トランスジェンダー(身体上の性別に違和感を持った人)、クエスチョニング(自分の性別や性指向が定まっていない人)といった、性的少数者の総称“LGBTQ”。 そんなLGBTQを描いた文学作品を紹介します。, 幽霊や妖怪が登場する王道のホラー小説とはひと味違う、「人間」の恐ろしさに焦点を当てたサイコホラー小説も恐ろしいものです。人間の狂気が感じられる、選りすぐりの現代ホラー小説を4作品ご紹介します。, 山下澄人『しんせかい』の受賞が決定した第156回芥川賞。その受賞候補となった5作品をあらすじとともに徹底レビューします!, 男性同士の悩ましげな表情や意味深な会話、「友情」と呼ぶにはいささか濃密すぎる間柄から、深い関係を妄想するBL風作品を紹介します。ついついうっとりとしてしまうような、耽美的な表現にあなたもドキドキしてしまうはず。, リアリティのある舞台をエンタテインメントに紡ぎ上げる名手・三浦しをん。作品の舞台は枚挙にいとまがないほどですが、見渡すと「ある特殊な世界で、ひたむきに生きる人たち」というテーマが見えてきます。ひたむきに生きる主人公の姿が胸を打つ作品が多い、三浦しをんのおすすめ作品5選を紹介します。, 近年、ライトノベルを中心に人気を集めるジャンル、「異世界転生」。一部の作品では、誰もが知るあの偉人が現代にやってくる……、という展開も見られます。そんな偉人が現代にやってきた、「偉人転生小説」を紹介します。, 将棋ブームといわれる昨今、文壇きっての愛棋家だった山口瞳が、1970年代前半に大活躍した第一線棋士たちと、涙ぐましいほどの“真剣勝負”を繰り広げた、名著『血涙十番勝負』、『続血涙十番勝負』が2冊揃ってP+D BOOKSより復刊。「小説現代」連載当時の担当編集者だった宮田昭宏氏が、当時の思い出や裏話等を初めて語ります。, SNSなどを中心に若者の間で広まった現代短歌のブームは、ますます勢いを増しています。今回は、2010年代に発表された現代口語短歌の歌集の中から、初谷むい、谷川電話などによる選りすぐりの歌集を4作品ご紹介します。, 2017年1月19日に発表された、第156回直木賞。恩田陸『蜜蜂と遠雷』が見事受賞! 事前に、候補作5作品のあらすじと、その評価ポイントを、文藝評論家の末國善己氏が解説した記事を振り返ってみてください。果たして、予想は当たっていたのでしょうか?, 今なお、「ジュウラニアン」と呼ばれるファンがいる、根強い人気を持つ昭和の作家・久生十蘭。今回は、孤高の作家である久生十蘭の作品群の中から選りすぐりの6作品を紹介します。, 現存最古の物語であるといわれている『竹取物語』は日本最古のSFでもあった?そんな謎だらけの『竹取物語』の魅力に迫ります。, 恋愛小説『マチネの終わりに』や芥川賞受賞作『日蝕』などの代表作を持ち、ジャンル・テーマを横断し続ける小説家、平野啓一郎。その作品の“3つの魅力”をご紹介します。, 2018年11月16日に『熱帯』を発売し、第160回直木賞候補にもノミネートされた森見登美彦。デビューしてから、数々の作品を世に送り出してきました。人気作家の森見登美彦ですが、森見作品をこれまで読んだことがない初心者のために、年代順におすすめの7作を紹介します。, 今村夏子『むらさきのスカートの女』の受賞が決定した第161回(2019年度上半期)芥川賞。その受賞候補となった5作品を、あらすじとともに徹底レビューします!, Facebookページへいいね、Twitterをフォローすることで、P+D MAGAZINEの最新記事をSNSでお届けします。, △ 第163回芥川賞候補作発表 2020年6月16日、芥川賞の候補5作品が発表されました。 受賞作の発表は、7月15日(水)です。 以下、候補作と掲載誌をまとめ、受賞予想をいたします。 『赤い砂を蹴る』石原燃 初の候補入りです。 石原さんは、劇作家で、太宰治のお孫さんだそうです。 翻訳(日→独、独→日)・通訳・よろず物書き業。ドイツ最北部、Uボート基地の町キール出身。実家から半日で北欧ミステリの傑作『ヴァランダー警部』シリーズの舞台、イースタに行けるのに気づいたことをきっかけにミステリ業界に入る。ドイツミステリ案内人として紹介されたりするが、自国の身贔屓はしない主義。というか.. (すぎえ・まつこい)ライター、書評家。『週刊新潮』などのほか、WEB媒体でも書評連載多数。落語・講談・浪曲などの演芸にも強い関心がある。主要な著書に、『読みだしたら止まらない! 海外ミステリー マストリード100』『路地裏の迷宮踏査』、体験をもとに書いたルポ『ある日うっかりPTA』など。演芸関係では.. 昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。 『マツコ会議』 フワちゃんがゲストの後編。フワちゃんにYouTubeを始めるように進言した作家の長崎周成が、「母親よりあたしの人生に貢献してるかもしれない」と紹介されて登場。「お母さ.. 作家・演出家・俳優の岩井秀人は、10代の4年間をひきこもって過ごし、のちに外に出て演劇を始めると、自らの体験をもとに「人生そのもの」を作品にしてきた。 息子・岩井秀人を、母親は当時同じ家の中でどのように見ていたのか。子供たちに声を、手を上げていた夫にどう対していたのか。 ひきこもった子供に親ができる.. 昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。 『イグナッツ! 小学生の「わたし」は、クラスメイトの「アキちゃん」を激しく憎んでいる。アキちゃんを憎み続けた果てに、「わたし」はアキちゃんのことを呪いたいと考え始め……。, トヨキ:最後は『アキちゃん』です。一読して、評価の大きく分かれそうな作品だと感じましたが……お二方はどう読みましたか?, 五百蔵:最初は、主人公の憎しみの強さを表す表現に書き手の手練手管を見せつけられているような気がして「どうかな……」と思ったのですが、読んでいくに従って、そういった趣向以上に、主人公が憎んでいるアキちゃんという人物は果たしてそこまで憎まれるようなことをしているのか? していないとしたらなぜここまで憎まれているのか? というほうがずっと重要なこととして書かれていると気づき、とても面白い設計の小説だと感じました。, ひと言で言ってしまえば、「アキちゃんのジェンダーなんか関係ない、わたしがアキちゃんを憎んでいるということがなにより重要なんだ!」というのが主人公の主観ですよね。, トヨキ:そうですね。……私はアキちゃんに対する主人公の憎しみの過剰さを好ましく思い、アキちゃんのジェンダーは関係なく人としてアキちゃんを憎んでいるんだ、という、“個”として人を見る視点がこの小説を貫いていることをやさしいと感じたのですが、何度か読み返しているうちに、それは一面的な見方かもしれない、と評価がぐらつきました。, 五百蔵:うーん、そうですね……。「わたし」は偏った主観のなかでアキちゃんの憎らしさだけに目を向けているから差別的な思想から逃れられているし、作品自体もそうなんですよ、ということはたしかに言えると思うんですが、実はそのこと自体がトランスジェンダー差別という外部の問題を取り込んでしまっている、とも言えると思うんです。『アキちゃん』にはトランスジェンダーの登場人物がごく普通に登場するけれど、やっぱり“アキちゃんがアキちゃんの望む体で生まれていたなら、アキちゃんの人生はどんなふうだっただろう”という箇所などは、作品の外部性としてトランスジェンダーという要素を都合よく使っているのでは? とも捉えられてしまう。, 菊池:読んでいてやっぱりすこし引っかかってしまったのは、アキちゃんのジェンダーが作品のなかで叙述トリックのように使われているけれど、それっていいのだろうか? ということでした。書き手が意識的にそれをしかけとして用いている以上、こちらが「ジェンダーは関係ないよね」と読むのも不自然ではないか、と……。, トヨキ:『アキちゃん』は文學界新人賞の受賞作ですが、その選評のなかで、選考委員のひとりである東浩紀さんが“シス女性(生まれたときに割り当てられた性別と性同一性が一致し、それに従って生きる人のこと)の苛立ちが描かれるばかりで、トランス女性のほうは最後まで救われることのない、いささか悲しい作品”と書いていたのにもなるほどな、と感じました。, ただ個人的には、主人公の「わたし」はアキちゃんに限らず、家が宗教に入っていたバッチャンというキャラクターのことも“呪文を教えてくれるちょっと変わった子”という風にしか見ていないのが特徴的だと思っています。「わたし」は社会的なラベリングを抜きにした自分の主観のなかでしか他人を見ていなくて、だからこそ偶然にも、あらゆる差別意識から遠い場所にい続けられているという。もちろん、そういう素朴な他者の見方そのものがシス女性の無神経さだ、とも言えると思うんですが。, トヨキ:そうですね……。差別というものに対する立ち位置を、読んでいる間ずっと自分の手で計測させられているような感覚がありました。ただ、その苦しい作業を読者に強いることで強制的に差別について私たちに考えさせてしまう力があるという点で、これはいい作品だと感じました。, 五百蔵:なるほど。個人的に気になった点としては、意外と「わたし」の憎しみの具体性が書き込まれていないのではないか? というのがあります。もちろん「わたし」がアキちゃんを憎み始めたことのはっきりとした動機が必要ということではなく、人と人との間で生まれた些細な憎しみが積み重なり、しだいに巨大な悪意になっていくという関係の過程や変化そのものが、実はあまり書かれていないのではないかと……。それがただ“憎む習慣”として処理されてしまうことには、すこし疑問を覚えました。, トヨキ:今回もありがとうございました。ずばり、お二方はどの作品が今回の芥川賞を受賞すると思いますか?, 五百蔵:僕は『破局』かな、と思います。やっぱりこの作品は、作者の描きたいことと実際に書かれている一文一文が緻密にリンクしているし、そうやってひとりの人間の姿を浮かび上がらせるという、文学にしかできないことをやりきっていると感じるので。, 菊池:そうですね、僕も完成度から言うと『破局』かなと思うのですが、選考委員の間で意見がどう分かれるかというのがちょっと読めないなと。……あと、仮に『破局』が受賞したらAmazonのレビューがすごく賛否両論であふれそうだ、とは思います。 巨大な螺旋状の塔内に存在する無数のカジノが、その国の観光資源だった。ルイはある思惑を抱いて、上へと伸び続ける塔を訪れるのだが……。200枚一挙掲載。(『すばる』HPすばる - 集英社より), 『すばる』3月号巻頭作。『すばる』と言えば先の芥川賞受賞作、古川真人「背高泡立草」を出した文芸誌である。5大文芸誌というくくりで『文學界』『新潮』『群像』『文藝』らと肩を並べているが、芥川賞受賞作の数は最も少ない。三木卓「鶸」、金原ひとみ「蛇にピアス」、田中慎弥「共喰い」、次いで上述の古川氏。本作が芥川賞を受賞すれば『すばる』としては5作目の受賞作となる。芥川賞レースとしては手堅いとは言えない雑誌だが、今回取り上げる「黄色い夜」はどうか。, 物語の筋は、ルイと名乗る日本人の青年が、旅の途中に出会ったピアッサというイタリア人とともに、海外のカジノを乗っ取ろうと企む、というもの。舞台はエチオピアの隣のE国。E国は資源もなく観光にも向かない砂漠だが、カジノによって立国している。上へ上へと伸びるカジノ塔だけがE国で潤沢に輝いている。その最上部に国の元首がおり、ギャンブルで勝利すれば国をひっくり返すこともできるという。それがE国という国家のあり方である。, カジノに群がるように欧米諸国の富裕層が集まる。現地の民は彼らから富を得ることで生きてゆく。それも満足に得られているとは言い難く、塔の中で奪い奪われているに過ぎない。旅の者である日本人ルイが、そんなE国の構造に挑む。, 塔の60階以上の上層部に各国の富豪たちは集まってくる。そこに入るには高価な会員証が必要だが、これは下層部の各フロアにいる元締めからも入手可能である。これを手に入れるために元締めたちに様々な知略を巡らしてゆくさまは、ボスを倒しながら進んでゆくロールプレイングゲームのようで面白い。, P18でルイが言った「訪れた人を蘇らせる」とは何か。ルイの目指す国とは、一国をして巨大な開放病棟にしてしまうことである。それは天真爛漫で純粋であるばかりに、袋小路に迷い込んだ人や社会の自意識を無条件に突破させるためのものである。狂気こそ、トランキライザー、つまり精神安定剤から人間を呼び覚ますために必要であり、皆が否応なしに抱える狂気が共存できる国を作ることがルイの理想であった。砂嵐吹き荒れるE国の「黄色い夜」に、寛解の見込めない患者を受け入れる。そうすることで、ルイは恋人を救いたかった。天使爛漫で純粋なミュージシャンであった恋人を。結果がどうなったかは作品を読んで確かめてほしい。, 宮内さんの作品は、異国の情景描写や旅の風情に旨味が詰まっている。テーマがどうとか御託は抜きにして、読書体験が楽しめることと思う。, ストーリー性に富んでおり、芥川賞のフィールドには馴染まないかもしれない。ネタバレにならないよう今回は記述を控えめにしているので、図書館などで借りられればぜひ読んでみてほしい。, 開設している現在、何を書くか決まっていません。書くべきだとも思いません。こういうインターネット上の場末はどれくらいあるんでしょうか。, tsunakokanadaraiさんは、はてなブログを使っています。あなたもはてなブログをはじめてみませんか?, Powered by Hatena Blog